小学校3年生、嫌な勉強はしない。こだわりが強いアスペルガー発達障害児。
うちの娘は、勉強で取り組んだ問題の答えが間違っていた時に、やりなおしをさせようとすると、とても嫌がります。こだわりが強く、一度嫌がったことは、絶対にやらない性格なのです。そのせいか、学年が進むにつれて、勉強がわからなくなっている様子。本人も勉強に対して、自信をなくしているように感じられました。
やり直しが嫌な理由、「お母さんが怒っているから。」
勉強の間違いを、やり直しさせるには、どうしたものかと思案しましたが、打開策が見つかりません。仕方なく、娘本人に、「どうして、やりなおしするのが嫌なの?」と聞いてみました。すると消え入りそうな声で「やりなおしすると、お母さんが怒っているから」との返答。
母親の表情が、子供の勉強のやる気を下げてた。
それを聞いてはっとしました。私自身は怒っているつもりはなかったのですが、知らず知らずの間に、「こんな問題も解けないのか」「また、間違っている」という心の叫びが、表情に現れてしまっていたのかもしれません。
娘にとっては、一生懸命考えて導き出した答えが間違っていてショックを受けた上に、母親が不機嫌になり、重苦しい雰囲気になってしまうという、二重の苦痛が伴う状況だったようです。それが嫌で拒否するという行為につながっていたのですね。
勉強を教える時は、穏やかに、冷静に、受容的な態度で。
親が子供の勉強に対してのモチベーションを下げているという、この事実を受け止めたうえで、次からは、需要的な態度でじっくりと娘に勉強を教えるようにしました。
かけ算の勉強に取り組んだ際に、「間違っているよ」と教えると、娘は焦って、わけがわからなくなってしまう様子でしたので、まず、間違っている箇所を消してあげて、意識を集中させました。それから、どれとどれをかけるのか、ひとつひとつ穏やかな口調で確かめながら勉強を進めました。すると、冷静さを取り戻し、最終的には正答することができたのです。
でも、間違ってないか不安げな表情で私を見上げるので、「大丈夫、ちゃんとできているよ」と声をかけてあげると、やっと嬉しそうな笑顔をみせました。
母親の態度が変わると、勉強を嫌がらなくなった。
以前なら、このような場面では、ついイライラしてしまいがちな私だったのですが、今回はそうならないように自分自身を戒めたり、夫に家事の協力を得て時間を確保したりしながら、子供の勉強をくり返しました。
しばらくすると、間違った問題のやりなおしを嫌がらなくなり、勉強もわかるようになってきたようです。難しい問題でも、自分で何度もやり直しをしながら、粘り強く問題を解いて勉強できるようになりました。
嫌がることには、理由がある。
子供がやりたがらない勉強には、何らかの理由があるものです。もしかしたら、私自身の態度が、子供に「教えてもらって解けなかったら、余計不機嫌になるだろう」「頭が悪いと思われるだろう」などという、ネガティブな推測をさせていたのかもしれません。
最近怒らなくなったね、楽しく親子で勉強できてます。
決して言葉や態度で、子供を叱ったわけではないのですが、子供というのは敏感にいろんなことを感じ取るものなのですね。
あれ以来、つい感情的になりそうなときには、このことを思い出して、理性をとりもどす努力をしています。勉強中に娘にも「お母さん、最近怒らなくなったね」と言われ、苦笑いすることも。
子供と一緒に母親もいろんなことを学んで、成長していくものなのですね。