ADHD発達障害の子、1問ずつをカードにして解かせる勉強方法
子どもに勉強をさせようと、あれこれ頭を悩ませているお母さんたちが、大勢いらっしゃると思います。私自身もそんな母親の一人ですが「試行錯誤」と「思い通りにならないこと」の連続です。そんな数多くの経験の中から、成功した例をお話したいと思います。
はじめは得意だった算数が、途中から苦手な科目に。
どの子供にも、勉強には得意な科目と苦手な科目があると思います。しかし、うちの娘は、はじめは得意だった「算数」が、途中から苦手な科目に変わってしまったようです。どうしてなのだろうと、持って帰ったプリントを見直してみて、気づきました。「たし算」と「かけ算」は、ほぼすべて正解しているか、間違っていてもちゃんと答えを書いてあり、解こうとする意欲がみられます。けれども、「引き算」の欄はすべて空欄。つまり、問題を解こうとする意欲が全くないのです。
授業中にみんなの前で発表したけど、間違って笑われた。
なぜ、そのような事態に陥ったのか、あれこれ話を聞いているうちにわかったのですが、どうやら授業中にみんなの前で発表した答えが間違っており、笑われた経験が「苦手意識」を決定づけてしまった様子。些細な出来事ですが、繊細なタイプのうちの娘にとっては大きなショックだったようです。
無理やり勉強をやらせて、子供とケンカに。
そのことに気づいて、「これではいけない」と母親である私の方が焦ってしまいました。数多くの「引き算」の問題を解かせれば、問題に慣れて、得意になると考え、早速その日から一緒に取り組むことに。たくさんの問題を本人の前に並べて、さあやってごらんと声をかけるのですが、本人は断固拒否します。最後には私が怒りだし、娘は泣き出してしまう事態に。途方に暮れてしまいました。
大量に勉強させると、子供は勉強を嫌になる。
そんな時、夫が「そんなにたくさん並べられたら、俺だっていやになる」と言いだしました。最初は「人の気も知らないで」と、内心ちょっとムッとしたのですが、よくよく考えてみると、確かにそうですよね。大人でも、苦手な大量の仕事を目の前に並べられたら、うんざりします。
1問ずつをカードにして解かせると、嫌がらず勉強を始めた。
勉強の量や時間を最小限にして、まずは勉強を楽しいと思わせる。
それからは、少し考え方を変えて、1問ずつをカードにして、解かせるようにしました。すると、あまり嫌がらなくなり、「じゃあ次」「それじゃ、その次」と続けていくうちに、娘も楽しくなってきたようです。正解すると褒められることで、さらに自信もついてきたのでしょう。自分からプリントの課題に取り組む様になりました。最終的には、「引き算」も「足し算」や「かけ算」と同じようにできるようになり、算数の成績もあがってきたのです。
子供の勉強ができないと、親は焦ってしまう。
子どもの勉強が「〇〇ができない」とわかると、つい改善することに意識が集中してしまい、「たくさんのことを長時間やって、改善させよう」と考えてしまいがちですが、子供はもともと集中力のない存在。それを無理強いしてやらせたところで、効果がでるどころか逆効果にさえなります。たとえ短い時間でも集中してやれたら、それでOKだと気持ちを切り替えると、案外スムーズにはかどったりするものです。
勉強の量や時間を最小限にして、まずは勉強を楽しいと思わせる。
本人と相談して、勉強の課題の量や、勉強時間を最小限に設定し、そこからスタートしてみましょう。まずは勉強を「楽しい」と思わせることが一番の近道なのかもしれません。