できないように見える、その子の個性を理解する。発達障害児の勉強方法。
子供には、その子なりの個性があり、まったく同じ子はいません。親が勉強を教えても、すんなり理解できる子もいれば、別の方法でなければ理解できない子もいます。大人はついつい、すんなり勉強を理解できる子を基準にしてしまいがちですが、そんな思いが先行しすぎて、あやうくわが子を「勉強ができない子」と位置づけそうになってしまった、私自身の経験についてお話したいと思います。
問題を読んであげても、理解できない発達障害児。
小学校2年生の下の子は、私が勉強を教えてあげようとしても、理解が悪いのか、集中力がないのか、どうもはかどりません。例えば、簡単な算数の問題などで、私自身が問題を読みながら、「りんごが6個、みかんが9個・・・・」などと説明しながら、問題を解くのですが、答えは不正解。しかも間違っていることを指摘すると、そのことを認めようとしないばかりか、ひどい時には怒り出したりします。
この子に勉強は無理かも。発達障害で諦めかけてた。
最初は、気長にやらなければと思っていた私ですが、一向に改善しない事態に、つい声を荒げてしまう場面も。最後には、どうすればよいのかわからず、「もうこの子には勉強は無理なのかも」などと、あきらめにも近い気持ちになっていました。
あるとき聞いた勉強方法を試してみると。
そんな時、学校のママ友から、「計算問題の答えを確認するとき、シールやタイルを使って、確認すると子供にとってわかりやすい」という話を聞きました。なるほど、確かにそうやって、視覚的に表現すると、間違っていれば、数が合わないということが、明確になります。試しに「りんご6個」「みかん9個」をそれぞれ、色の違うシールを貼って示してみると、自分の間違いに気づくことができ、それを素直に直すことができました。
見てわかると、文章問題もできるようになった。
その後、苦手としていた算数雨の文章問題に関して、数のところにその数を示す絵を描き入れてあげ、見てわかるような問題に作り変えてみました。すると、すぐに正解を導き出せるようになり、怒ったり嫌がったりすることがなくなったのです。
全く訳のわからないことに、興味はでない。
大人でも、まったく訳の分からない話を長時間、聞かされれば、集中力がなくなりますし、そのことに対する質問に答えられないことを指摘されれば、自己嫌悪に陥って、逆に攻撃的になってしまったりしますよね。
はじめは、うちの子の勉強でも、まさにそのような状態だったのだと推測できます。しかし視覚的な表現によって、理解が深まり、興味がわき、質問に答えられる自分に喜びを感じて、事態が好転していったのではないでしょうか。
できないように見える、その子の個性を理解する。
勉強に対して、この一歩を踏み出せない子供が、踏み出せる突破口を開いてやるのがまさに親の役目だと、今回気づかされました。「勉強ができない」と決めつけるのではなく、一見「できない」ように見えるその子の個性を理解し、的確に対応することが大事なのですね。