広さ、長さ、大きさ、量などは、実物を見せてイメージさせる勉強方法が効果的
算数の授業で、計算問題が得意なミサキちゃん。足し算も引き算も、新しく習った掛け算も、大好きで積極的に学習に取り組みます。しかし、量をあらわす問題が学習に登場したとたん、苦手意識が生まれてしまったのです。
リットルL、デシリットルdL、ミリリットルmL。
1リットルが1000ミリリットル、1デシリットルは100ミリリットル。このような単位の問題が、とても苦手になってしまったのです。今まで学習してきた算数は、並んだ数字を計算する問題でした。しかし、水やジュースを使って量をあらわす問題は、ミサキちゃんの頭の中では、どうしてもクリアに想像できないのです。
「1000mLは、何dLですか?」、学校の授業で先生にそう質問されても、ミサキちゃんは答えることができませんでした。「算数が得意なミサキちゃん」が、算数を苦手に感じてしまった苦い経験です。
計算は得意でも、大きさや量がイメージできない。
ミサキちゃんはお家に帰って、お母さんにこの話をしてみました。「数字を計算するのは大好きだけど、mLとかdLなんて、あんまり頭に思い浮かばないの・・・」と。お母さんはミサキちゃんに、水の量を実際に計って、目で見せてあげることにしたのです。数字は目の前にあるから計算が簡単に感じるのであれば、イメージできないものは目で見て感覚をつかむことが大切だと考えたからです。
計量カップやペットボトルで、実物を見てイメージ。
料理に使う計量カップを使って、水の量を計ります。「これが500mL、小さいペットボトルの一本分よ。」、そう教えると、ミサキちゃんは普段自分が飲んでいるオレンジジュースのペットボトルが500mLで、1Lの半分の量なのだと理解したのです。
デシリットルdLが日常生活でなかなか登場しないので、ミサキちゃんはどうしてもイメージがわきません。そんな時は、ペットボトル一本は5dLだという覚え方で、すでに自分が理解できているものに置き換えてみて、感覚をつかむ覚え方をしたのです。
理解できない問題は、苦手意識が残ってしまう。
わからない問題や、間違えて恥ずかしい経験をしたことは、子どもの心に「苦手」という形で残ってしまいます。この記憶を塗り替えるには、理解して問題をクリアする経験を重ねることが必要になります。そのために、小さな問題を繰り返し積み重ねていく経験をさせてあげましょう。
わからないことでも、実物を見れば理解できるようになる。
計算問題はとても得意なミサキちゃんが、量をあらわす問題につまずいたために、算数すべてを嫌いになってしまうのは、とてももったいないことと言えますね。子どもの心には漠然とした「嫌い」という気持ちが芽生えてしまいますから、はっきりとした苦手項目を見つけてあげることで、嫌いを好きに変えるきっかけを作ってあげてはいかがでしょうか。
何度も間違えても良いのだということを、繰り返し伝えていきましょう。そして、「できた!」と理解した瞬間、子どもが嫌いを好きに変えることができたら、勉強意欲はさらに向上していくのではないでしょうか。